2025年アメリカLAで迎えた新年は、手作りおせち料理とともに
改めまして、明けましておめでとうございます。
今年もしろくろめがねを、どうぞよろしくお願い致します。
2025年のお正月、いかがお過ごしでしょうか。
私が住むアメリカLAは暖冬で、例年に比べて温かい元日となりました。地元の友達によれば、東京も年末年始はお天気が良かったそう。穏やかな一年になるといいねと話しました。
今年のお正月も私はアメリカLAで迎え、おせち料理を用意しました。9回目のおせち作り、今年は田作りがとっても美味しくできました。
2025年、我が家のおせち料理とお品書き
壱ノ重
黒豆
田作り
数の子(参考レシピ)
かまぼこ
ニシンの昆布巻き(購入)
小布施堂 栗鹿の子
エビの酒蒸し
きんぴらごぼう
伊達巻き(参考レシピ)
めがねが小さい頃好きだったということで、今年は日系スーパーマーケットNIJIYAで購入した、ニシンの昆布巻きが入りました。
例年栗の甘露煮から作っている栗きんとん。今年は家族が日本で買ってきてくれた小布施堂の栗鹿の子を、思い出とともにお重に詰めました。
小さい頃祖父母が送ってくれて、いつも冷蔵庫に入っていたもの。ですが私は栗があまり好きではなかったので、ほとんど食べたことがなくて。大人になって食べた時の衝撃を今も覚えいています。
これからは栗きんとんの代わりにこれでいい(か、さつまいもだけ煮るか)!と思ったので、来年も登場するかもしれません。
弍ノ重
銀だらの焼き物
松風焼き
酢蓮
なます
お煮しめ(たけのこ、こんにゃく、里芋、ごぼう、干し椎茸、ちくわ)
今年は松風焼きを加えました。
作ってびっくり。私がゴールとしている祖母のおせちの一品にそっくりでした。家族にも人気だったので、来年も加える予定です。
お雑煮
お出汁をお醤油とお塩で味付け、お餅とかしわ(鶏肉)とミツバのシンプルなお雑煮。
おせち料理は父方のものですが、お雑煮は母方の味です。
海老カツ
アメリカに住む前、お正月の時期にLAを訪れた際におせち料理のひとつとして作って以来、定番化した海老カツを今年も。
今年の海老カツは美味しかったけれど、もう一息。そして大きくしすぎました。来年は少し小さく、美味しく作れますように。
アボカドサラダ
去年おまけ的に作ったアボカドサラダ。
小さい頃初めてLAを訪れた時にファーマーズマーケットで食べたものが、我が家の定番になった料理(→アボカドが一番美味しいサラダには、お醤油少々)
LAに住んでいる今、らしくていいかなと、今年も作りました。
田作りを美味しく作るたった一つのコツは「時間」
今年の田作りは、とっても美味しくできました。パリッとした質感のごまめが最高の出来。
年末、黒豆を煮始めた時に思い立って、ずっとおせちを一緒に囲んでいたいとこの一人に連絡。それがきっかけで、昔祖母に聞いたおせち作りのメモを改めて隅々まで読むことになりました。
そのメモに、田作り「コツ 時間」とあって。
意識して、厚手の鍋で弱火でじっくりごまめを炒ったところ、タレに絡めても、時間がたっても下手らないパリっとした田作りになりました。
「ごとごと煮ない。とろ火。早く煮ると硬い。」ともあったので、そちらも意識したところ、タレもちょうどいい質感の田作りになりました。
おせちの定番化決定!記憶の味だった松風焼き
2025年のおせち料理から加わった松風焼きは、祖母のおせちの一つで、孫に一番人気だった料理にそっくりでした。
我が家はお正月三ヶ日は4本足の食材を食べない習わしだったので、祖母のおせち料理には牛肉や豚肉は入っていませんでしたが、唯一この松風焼き風にはベーコンが巻かれていました。
別にごまが乗った松風焼きがあったこともあってか、「ベーコンの」とか「鶏ひき肉の」と呼ばれていたため正式名称も知らず。私は質感が若干苦手だったので探究もせず、いとこにレシピを聞かれてもわからないと答えていたもの。
まさかこの味にまた出会えるなんて!嬉しい再会でした。珍しく、いとこに連絡をしたから祖母や伯母が微笑んでくれたのかも。
来年以降も作り続けた松風焼きです。
祖母の味を求めて作る、昔ながらのおせち料理で得るもの
毎年父方の祖母の味を再現しようとおせち料理を作っているので、私のおせち料理にはキラキラした華やかさや、今っぽさはありません。
祖母の味を求めて作るのは、大きな時の流れを実感する尊さがあるから。
両親や祖父母、曽祖父母、その先のご先祖様の存在を感じ、過去や幼い頃の思い出がよみがえり、今は亡き家族や親戚に想いを寄せる。
同時に未来への願いを込めて料理を作る。
今が長く続く時の中の点のように思え、忘れがちな「今」の貴重さも実感します。
みんなが恋しくなって、過去の幸せを改めて感じて。
新年への期待と少しの不安を内包しながら、こうしておせち料理を作れること。喧嘩しながら、頭にきながら、文句を言いながらも笑、みんなで新年のお祝いをできることへの感謝が湧いていきます。
祖母の味を求めていなければ、こんな感情は抱かなかったかもしれない。
おせち料理作りは、私にとって家族や親戚、ご先祖様との繋がりを感じさせてくれる、ある意味神聖な時間です。
年に一度のおせち作りは、年末の力試し
年に一度の力試し、おせち作り
おせち料理は私にとって年に一度の力試しのようです。
成長を感じることもあれば、まだまだスタートラインにも立てていないと思うものもある。家族の力も借りて完成する料理もあります。
今年おせち料理を作りながら感じたのは、昔の人の忍耐強さ。田作りひとつ炒るにしても、時間のかけ方が違います。
昔と今では時の流れ方が違うのかもしれないし、私が日頃効率を求めすぎているのかもしれませんが、おせちを作りは時々瞑想のようでした。
五感と自分を信用して
五感を必要とするおせち作り。
鰹節と昆布でとるお出汁は、時間は目安で、自分の舌で味わって見極める。
参考レシピがあっても、自分の記憶にある味に寄せるための調整は必須で、味わって判断する。
これがレシピで作ることに慣れいてると戸惑うんですが、今年も改めて。
今年は、もっと自分を信用することも大切だと感じました。
これからもおせち作りは続く
私にとっては決して簡単ではないおせち作り。だから年に一度の力試しのようです。
少しずつ少しずつ、祖母の味に近づきたい。
そしていつか、祖母の味を求めてたどり着いた味が、私のおせち料理になる。
そんな日は当分先のようだけれど!
日本人・日系人コミュニティに感謝する新年
栗きんとんの代わりにした小布施堂の栗鹿の子だけは日本から持ってたものですが、おせち料理の材料のほとんどを、アメリカ ロサンゼルスで揃えました。
こうして当たり前のように日本食材が手に入る幸せ。
ロサンゼルスやアメリカに渡った先人が、道を作ってくれたからこそのこと。
日本人、日系人、日系の会社やコミュニティに心からの感謝を!
しろくろめがねを、今年もどうぞよろしくお願い致します
アメリカに来て作るようになったおせち作り。2025年のおせち料理作りではは途中でいとこと連絡したせいか、いつもよりもさらに濃く、家族や親族を身近に感じる時間でした。
おせち作り中、父が時々言っていた「楽するな(ちゃんと手をかけなさい)」という言葉が何度も頭をよぎりました。
いろいろ心当たりがありすぎて、目を背けたい言葉です笑。
近年目標を立てることをしてこなかったけれど、せっかくだから、今年は「楽するな」を心に留めて一年を過ごしていきたいと思います。
いつもしろくろめがねを見にきてくださる皆さま、ありがとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします!
みなさまの新たな一年が、美味しいものとの出会いに恵まれる年となりますように!