器・料理道具など

漆器が好き。お正月にハレを添える古い漆器2つ。

お正月にハレを。母の古い漆器、お椀。

 

今年は、大晦日と元旦朝に用意したお節料理で迎えたゆる〜りなお正月でした。

 

2022年はゆる〜いお正月。一晩で作ったおせちとともに

 

けれどお正月の雰囲気はしっかり。

例年と同じ新年の清々しさもきちんとありました。

 

きっとそれはお正月に欠かせないハレが、ちゃんとあったから。

 

 

 

今年お節料理に力は入らなかったけれど、絶対にお雑煮は作るつもりでした。お雑煮は簡単に作れるしいつも元日の朝作るからということではなく(それもあるけれど)、今回の渡米でお椀を日本から持ってきたから。

 

お椀を使いたくて、器ありきのやる気でした。

 

 

 

お雑煮を入れたお椀は、両親が結婚するときに祖父母が母に持たせた母の嫁入り道具。とはいえ娘は家で使った記憶はなく、見た覚えさえないお椀です。

 

お正月は祖父母の家に集まるのが慣わしだったので、家でお雑煮を作ることも食べることもなかったから、使う機会もなかったのかな。

 

 

両親の結婚からうん十年、ずっとしまわれていたお椀を今回の一時帰国時に目にして、これはお正月に使おう!と持ってきました。お正月が近づいたこの時期でなければもしかしたら後回しにしてアメリカに持ってこなかったかもしれないから、いい時期に出会えました。

 

 

 

ハレの気配をまとった蓋つきのお椀は私の好みど真ん中。

 

そしてこのお椀があったから、気合を切れていないお正月料理だったとしても、いつも通りのお正月。ハレがしっかりあるおめでたい日になりました。

 

 

 

 

 

 

もうひとつの大切な漆器、2段重

 

もうひとつ、ハレをたっぷり添えてくれたのは、ここ数年お節料理を入れている二段重。やはり母のものです。

 

母方は節目の内祝いに漆器を用意する家だったので、母やその兄弟、内孫の名前が入った漆器があります。このお重は母の小学校入学の内祝い。蓋の裏には、内祝いの文字と母の旧姓が入っています。

 

ということはこちらはお椀を上回る年季ものですが、やはり実家で使われることはなく、ここ数年アメリカ・ロサンゼルスでやっと日の目を見ているお重です。

 

 

こちらのお重も、お正月にお祝いの雰囲気を添えてくれました。

 

 

 

今年はこの2つの漆器が主役のお正月。

 

漆器のおかげでお正月の空気を堪能できたと言っても過言ではない。漆器があれば他に力を入れなくてもなんとかなるなんて思ったぐらいです。

 

ゆるりなおせちもなんのその。漆器のおかげで、気持ちよくお正月を迎えることができました。

 

 

 

 

 

 

漆器、好きです。

 

もともと漆器が好きです。

 

漆の赤と黒。艶。木の厚さで、雰囲気が温かみがあるものから洗練されたシャープさのあるものにもなる幅と、装飾で一変する姿に惹かれます。

 

学生の頃からそうなので「中身おばあちゃん」なんて言われたこともありましたが、この漆器熱、ここのところ一層強くなっています。

 

 

一昨年と昨年、日本帰国時に求められる隔離を日本の別荘で過ごしました。大人になってからは長くても一週間ほどしか泊まることができなかった別荘で長く過ごして、そこにあるものをいろいろ、ごそごそ触りました。

 

漆器を含めた食器もその一つ。目新しさもあるのでしょうが、祖母など誰かの目を通した食器類は魅力的で可愛くて、滞在中はとっかえひっかえ。隔離中の最高の娯楽でした。

 

また伯母と過ごす時間も長かったので、漆器をよく使う伯母の器選びに触れる機会があったのも一因。

 

以前にもまして漆器や器が気になっています。

 

 

 

お椀もお重も何十年も前のものなのに、未だ人を惹きつける。その美しさは普遍的で絶対的。そして実用としても使える用の美なのも、私が惹きつけられる大きな理由です。

 

何十年と使い続けることができる物は、そう多くはありません。

思い出がそのものに宿り、使うたびに思い出せる。

そうなったら、そのものの価値は計り知れない。

 

 

漆器、やっぱり素敵。

好きだなぁ!

 

お正月に漆器を使うたびに、いつも思うこと。

今年はより一層、感じたこと。

 

 

いいお正月でした。

 

 

 

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漆器・器熱が高まれば、新しい物が欲しくなる。特に今使っている食器が好みではないなんて思っていたら、余計です。

 

普通ならそこで新しい食器を買うのでしょうが、今回別荘や伯母の家で触れた体験からか、新しいものを買うのではなくあるものを使うことに心が向きました。

 

一時帰国中、食器売り場も覗きました。素敵な器、惚れ惚れする器との出会いもありましたが、結局アメリカに携えたのは、実家にあった器でした。

 

 

私は昔から古いものが好きなので余計かもしれませんが、家で眠っているものに再注目してみると、思った以上に響くものがいくつもありました。食器は重いので気に入った全ては持ってこれはしないけれど、なかなかいい収穫。どれもこれも早々使っています。

 

 

 

きっと我が家だけではなくて、どんなお家でも同じ。

実家には意外といい器が揃っています笑。

 

昔使っていたいつもの器も、今見てみるとなかなかいい。私たちの親・祖母の世代は、いいものを使わず大事にしてあることも多いから、思いもがけない器も戸棚の奥にあったりして。

 

実家の器、狙い目です笑。