手作り味噌作りで最も不安なのが、「カビ」や「白い膜(産膜酵母)」の発生です。けれど酒粕を最後に被せることで、手作り味噌をカビから守ることができます。
2024・2025年にLAで仕込んだ4つの味噌から、酒粕はカビ防止に非常に有効でしたが、条件を間違えるとカビは生えなくても産膜酵母が出ることが分かりました。
この記事では、カビの生えない手作り味噌の仕込み方に加え、板粕・練り酒粕の違い、熟成期間の差、開封済み酒粕のリスクなどを、成功例と失敗例(産膜酵母発生)を交えてまとめました。
酒粕を使ってカビが生えない手作り味噌を作る方法

自分好みの味を求めて作る手作り味噌
長いこと念願だった手作り味噌を作り始めて、早数年。最初はお味噌を作れるだけで幸せだったのに欲が出て。毎年自分好みのお味噌を求めて、試行錯誤をしています。
自分で麹を作り、麹と大豆の分量を調節して。熟成期間を気にしてみたり、カビが生えない方法を試したり。
年々、自分好みのお味噌になってきました。
カビない手作り味噌ができました
2024年の初めに仕込み、早いかなと思いながら同年10月下旬に7ヶ月間の熟成期間で開けたお味噌。これが私史上最高に美味しいお味噌になりました。
正直、美味しい市販品にも負けていない!と思うほどの出来栄え。妹しろやめがねが「あれは美味しかった」と言うほど。
そして全くカビも産膜酵母生えていないお味噌でした。
酒粕で手作り味噌はカビ知らず
酒粕を利用してお味噌を作ると、手作り味噌にカビはもちろん産膜酵母も生えません。
この方法を教えてくれたお友達の味噌を見せてもらい、酒粕の効果を実感。私も2024年に試したところ、途中の手入れなしで、全くカビと産膜酵母が生えない手作り味噌が出来上がりました。
しかも、たまたまかもしれませんが、例年よりもお味噌が美味しい。利用した酒粕も食べれるんですが、これも美味しい!と一石三鳥でした。
今回は私が惚れたカビないお味噌の作り方、酒粕を使用してカビを防ぐ手作り味噌の作り方をご紹介します。
この記事にはアフェリエイトを含みます。どうぞよろしくお願いいたします。
酒粕を利用して。カビが生えない手作り味噌の作り方

【材料】
手作り味噌
酒粕 1パック
【作り方】
手作り味噌を作る
お好みの分量とバランスで、手作り味噌を仕込む。
(我が家は大豆900g, 塩360g, 麹700g、信州味噌のバランス)
*使用する容器や器具は、あらかじめ消毒してから使うこと。
味噌の表面を平らにする
空気が入らないように容器に詰めた手作り味噌の表面をならす。
*ここまでは通常のお味噌の作り方と同じです
味噌に酒粕を被せる

酒粕を容器と同じ大きさ(表面積)に広げ、手作り味噌の表面に酒粕を乗せる。味噌表面が酒粕で隙間なく覆われるように調節する。


ラップをして保存
酒粕の上にぴっちりとラップをして、容器の蓋をする。
一般的な手作り味噌と同じく、冷暗所で熟成させる。
酒粕で手作り味噌のカビと予防、酒粕の選び方
手作り味噌のカビ防止、酒粕の選び方
【板粕】板状の酒粕
【ばら粕】板粕を作る過程で溢れたりした酒粕。板粕よりも柔らかい質感だが同じもの。
【練り粕】酒粕を練ってペースト状にしたもの。ばら粕より柔らかい質感。
酒粕には形状の違いでいくつかの種類があり、上に挙げた板粕、ばら粕、練り粕が一般的です。手作り味噌のカビ予防のために使う酒粕は、どのタイプでも問題ありません。
ただ原材料が酒粕だけのものがいいので、原材料は確認してください。甘酒用の酒粕など、他の原材料を含むものがあります。
LAで選んだカビ対策の酒粕

アメリカ・ロサンゼルス在住につき、酒粕の選択肢はほぼなし。
2024年は日系スーパーマーケットニジヤで購入した、新潟を代表する八海山のねり粕を使用。無事、カビない手前味噌ができました。
→US Amazon でも時々見つかります。
味噌作りの容器には、野田琺瑯のぬか漬け美人(3.2L)を愛用しています。我が家にはこれがピッタリですが、間口が狭い縦長の形の方が空気に触れる部分(=カビや産膜酵母が発生する部分)が少なくなるので、良いとされています。
カビないお味噌の保存場所、できたお味噌の保存場所

酒粕を乗せた手作り味噌の熟成場所
カビ予防のために、手作り味噌に酒粕をかぶせたら。
あとは普通の手作り味噌と同じように、冷暗所にて保存、熟成させます。我が家は台所の流しの下に置いています。
出来上がったお味噌の保存場所
我が家の好みは、発酵しすぎていないお味噌。手作りお味噌が出来上がったら、発酵を止めるために冷蔵庫で保存しています。
カビない味噌の酒粕はお好みで取り除いて
酒粕でカビ対策をした手作り味噌が、出来上がったら。
我が家は酒粕をお味噌から取り除き、お味噌と取り除いた酒粕それぞれを冷蔵庫で保存しています。ですが酒粕を取り除くかどうかは、お好みでどうぞ。
酒粕を取り除いたら、冷蔵庫で保存。
冷暗所で引き続き保管する場合は酒粕は取り除かず、取り出したお味噌の断面にも酒粕がきっちりかぶるように、酒粕で蓋をする。その上からラップと容器の蓋をしてください。
追記:2025年、酒粕を被せたのに酸膜酵母がでた!その理由は?

酒粕が被せても、「開封済み・保存期間あり」はリスクあることがわかりました。
2025年は2月に1つ、4月に1つ、6月に1つ、合計3つのお味噌を仕込みました。2月に仕込んだお味噌は11月に、4月に仕込んだお味噌は12月に、それぞれ開けました。
| 酒粕のタイプ | 表面の変化 | |
| 2月仕込み:熟成期間約10ヶ月 | 板粕A | アミノ酸結晶化 |
| 4月仕込み:熟成期間約8ヶ月 | 板粕A | 産膜酵母発生 |
| 6月仕込み:熟成中 | 練り酒粕B (前述の八海山) | 現状何もなし |
アミノ酸の結晶化とは


去年は(2024年)は40度を超える日が数日あり、暑かったLA。今年(2025年)は去年よりも涼しかったので、2月仕込みの味噌は去年よりも熟成時間を伸ばしました。
そのせいなのかわかりませんが、酒粕の表面にアミノ酸(チロシン)の結晶化がありました。
これは、大豆のタンパク質が麹菌に分解されて旨みに変わる過程で残ったアミノ酸が結晶化したもの。よく発酵し、熟成が進んだ証です。


酒粕ありでも産膜酵母が出た理由


問題は、酒粕を被せたのに産膜酵母が発生した、4月仕込みのお味噌です。
産膜酵母は体に害はありませんが、味が落ちるし見た目も悪い。産膜酵母を防ぎたい気持ちもあって酒粕を被せているのもある。
理由をいろいろ考えたところ、酒粕に辿り着きました。
酒粕は開封したてを使うべきでした


産膜酵母が発生した原因が気温であれば、6月に作ったお味噌の方が条件が悪いはず。原材料、作り方、分量、保存場所も同じ味噌。
2つの味噌で条件が違ったのは、最後に被せた酒粕だけでした。
これは私の完璧な落ち度なんですが、、、。
産膜酵母が出た4月の味噌作りに使った酒粕は、1月末に日本から買ってきてもらった酒蔵の板粕。2月に半分使い、残り半分はジップロックに入れて保存。
本当はすぐにお味噌を作るつもりが、いろいろあって4月になり、その酒粕を使いました。
酒粕はアルコールが強いので使用期限としては問題ありませんが、アルコールが飛んでいた可能性がある。そのせいで産膜酵母が出た可能性が高いと思っています。
酒粕は開けた手を使いましょう!(当たり前だけどね・・・)

手作り味噌のカビ対策で使用した酒粕は極上の美味しさ!
手作り味噌のカビ対策の酒粕が美味しい!
取り除いた酒粕は、絶対に捨てちゃダメ!!!もう、本当に美味しいので、食べましょう!
手作り味噌に乗せたカビ予防の酒粕は、お味噌の熟成過程で出るたまり醤油を吸っています。
お味噌が出来上がった頃、カビ予防のはずの酒粕は極上の酒粕に変化しています。お味噌やお醤油の旨みを吸い込んだ酒粕は、まろやかで香りがよく、日本人に響く味です。
酒粕が美味しすぎて、カビ対策が楽すぎて
実は私、甘酒も酒粕も好きではありません。
けれどお友達に「美味しいから食べてみて!」とお裾分けでいただいたカビ対策に使った酒粕が美味しすぎて、、、。その時に、次の手作り味噌は酒粕でカビ予防をすることに決めました。
最初は美味しい酒粕が目的でした笑。
実際にカビが生えないお味噌を作ってみると、楽さと安心感を知ってしまい、もう酒粕なしのお味噌作りは考えられません。
手作り味噌をカビさせないために。お味噌ができたときに美味しい酒粕を食べるために。手作り味噌には、必ず酒粕でカビ対策をしましょう!
手作り味噌のカビ対策。美味しい酒粕の美味しい使い道

お味噌のカビ予防の酒粕の使い道
手作り味噌にカビを生えさせないために使った酒粕の使い道は無限大ですが、ここでは特におすすめの酒粕の使い方を2つご紹介します。
・酒粕入りお味噌汁
お味噌の使い方で一番一般的であろうお味噌汁。私は毎日お味噌汁を食べるために、お味噌を仕込んでいると言っても過言ではありません。
そんなお味噌汁に、手作り味噌をカビさせないための酒粕をお味噌と一緒に溶かします。分量の目安はお味噌と酒粕1:1ですが、酒粕の量はお好みでどうぞ。
いつものお味噌汁が風味豊かになって、お店でいただく味になります。
粕汁とまではいきませんが、粕汁の雰囲気がお味噌汁に加わって美味しい。私は粕汁よりも好きな味です。
・酒粕風味のポトフ
豚の肩肉とじゃがいも、にんじん、白菜を加えてポトフを作ります。
具材がよく煮えたら、塩と味噌風味の酒粕で味付け。お好みでお味噌やお醤油を追加してもいい。
風味豊かで、美味しい、ちょっと和風のポトフの出来上がりです。
これで安心!酒粕を使ったカビ対策の手作り味噌

酒粕を使った手作り味噌は、カビや産膜酵母の心配がないので安心して作れるうえ、副産物の酒粕の美味しさも格別。これからもずっと続けていきたいと思っています。
そして経験者の方はもちろん、初心者やこれから味噌作りを始めようとしている方にもおすすめしたい。
この方法でお味噌を作れば、手作り味噌作りがぐっと身近に、気軽に作れるから!
今年は酒粕を利用して、カビ知らずの美味しいお味噌を作りませんか?
ごちそうさまでした。
更新:2025年12月15日
参照
Takeya; 酒粕の種類にはどんなものがある?酒粕の選び方のポイント
月桂冠; 酒粕について知る 賞味期限、保存方法、酒粕の種類