朝6時に家を出て、伯母をひろって。
東京から高速を走らせて車で2時間弱。
辿り着いたのは神奈川県南西部に位置する小さな半島、真鶴半島でした。
半島の先端は、県立真鶴半島自然公園に指定されている自然豊かな場所。明治から戦後真鶴街に払い下げられるまで、天皇御料林だった半島です。
半島の先端からは岩礁、三ツ石が望めます。
三ツ石までは、フランスのモンサンミッシェルのように潮が引くと道ができ、その姿は特異で素敵。
本当は潮が引く時期を狙ってここへ行きたかったけれど、潮見表を見たらどうもいい日がなかったのでこの日の海に浮かぶ三ツ石を眺めてきました。
それでも潮風に吹かれながら眺める景色は、日本的で素敵な眺め。
しめ縄がかかる岩礁は、多くの場所に神様を見出し、自然と共存しながらも畏怖していた日本人のご先祖さまたちのあらわれ。日本ならではの景色ですから。
三ツ石を眺めた後は、遊歩道を進んで番場浦海岸へ。
人工的な痕跡と風化してく姿のコントラストは、小さな遺跡のようでした。
真鶴はいい石が採れると有名で、古くは鎌倉時代から石が切り出されていたそうです。江戸城築城の際には多数の石丁場が開かれたらしく、今も内陸側からは石が採られているそうです。→参考←
石切り場から海を振り返ったら、正面に三ツ石がありました。
三ツ石にかかるしめ縄が急に重く現実味をおびたのは、かつてこの場所で働いていた人や、船で石を運んでいた人の気持ちとシンクロしたからかもしれません。
こんな時期ですから、行動することへの疑問がつきまといます。
ここへ行っていいのか、これをしていいのか。
感染しないか、もしもの可能性で誰かに感染させないか。
この時も、知人が近くに住んでいるにもかかわらず連絡することもなく、用事を済ませて帰宅しましたが、以前と比べて、人と会うことを躊躇するようになりました。
楽しみも減っている人も多くいるはずです。
年配の方の運動不足は致命的になりえるので、その部分も心配しています。
第四波にむかっているであろう東京にいるので安易なことは言えないけれど、できること、工夫をこらして楽しみを見つけよう。そう思ったのは、真鶴にいた釣り人たちを見て。
この空間なら、感染しないさせないですよね。
創意工夫、場所選び。
時に撤退の英断を。
伯母のお供のついでに立ち寄った、真鶴半島の海岸で思ったことでした。